企む職員室。[studioあおブログ]

企みつつ、育てています。

いま、新しい(と言われている)教育とは何か

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SoftbankBenesse吉本興業JR西日本…。

 

名だたる企業とコラボし、活動する完全無名の企業「株式会社COLEYO」

 

そんな私たち、株式会社COLEYOが2020年5月で2年を迎えました。2年が経って活動の幅は広がり、ご注目も(ちらほら?)いただいておりますが、


依然、なにを考え、なにをしているのか、よくわからない…。


そんなお声も(ちらほら?)いただきます。

 

あ、ところで私の自己紹介が抜けていましたね。株式会社COLEYO広報の松本一春です!

 

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代表の川村とは、大学1年生の時からかれこれ7年。先輩であり、飲み友達であり、今では同じ会社で働いている関係です。

 

大学4年生の時には、立ち上げ当初のstudioあおで初めてのインターン生として関わっていました。(こちらがその時のブログ↓)

stud-io.hatenablog.com

 

大学時代には飲みに行ってはテツさん(川村の愛称)の家に泊まり込み、週の半分はテツさんの家に泊まって洗濯物をたたむ。そんな関係でした。

 

そんな、なが〜い付き合いの私でさえ、うちの会社や思想に対して「え、ここってなんでなん?」「いや、わからん、わからん。」って思うことがあるのも事実。

 

今回はうちの会社の代表川村にインタビューし

 

「なんで10歳からなん?」「許容ってなに?」「才能ってなんなの?」「もはや教育ってなんやね〜〜ん!」

 

などなど気になる「なんで?」をぶつけて、川村哲也の頭の中を大解剖してみました!

 

「10歳の社会人」を育てる教育

:「10歳からの社会人教育」を掲げているけど、そもそもなんで「10歳から」で、何が「社会人教育」なの?

 

:10歳から14歳って、欲求の方向性が決まってくる時期で、「何かやってみたい!」というモチベーションに従って「やってみた」という経験があると、大きく成長するし変化するその効果がいちばん大きいのが、その年齢層だと思うんだよね。


たとえば、「めちゃくちゃ絶滅危惧種の動物が好き」でイラスト描いてる子いるやん?

 

:ああ、缶バッジの子だよね。

 

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絶滅危惧種が好きな生徒が製作した缶バッチ)

:教室ではず~っとイラストを描いていて、絶滅危惧種の動物の絵ばっかり。それがすごく味のあるタッチだったから、「これ、缶バッジにしたら売れるんじゃない?」って伝えてみたら、「え!?缶バッジって作れるの? じゃあ作ってみたい!」という話になって、そこからプロジェクトを立ち上げたんだよね。

 

そこから、プロジェクト費用を生徒に投資する『Pitch』っていう制度を使って、初期費用は教室から出して缶バッジを販売してみると、結果めちゃ売れた。

 

そこから彼のモチベーションはさらにあがって、今ではグッズで稼いだお金を活用して完全に自己資金で回せるようになって、さらには利益が出た分を自然保護団体に寄付してんの。すごいよね。

 

:たしかに。大人でもそこまでできる人は多くなさそうだよね。


モチベーションからの行動が一定の水準に達すると、誰かが喜んでくれるようになるじゃん。彼の場合は、自分がつくった絶滅危惧種グッズをみんなが買ってくれる。

 

めっちゃ良くない? 好きなことめちゃくちゃやってるだけで、誰かが喜んでくれる。

 

そうやって「発想を実装することで、誰かの価値になる」のって、やっていることは社会人と同じだよね。うちの教室を通して、そういう子どもを増やしていきたい。

 

:しかも、そこにかかわっている自分自身も楽しい、と(笑)


:そうそう。彼らが「やってみたい!」ってモチベーションになる方向を感じとって、けしかけてあげる(笑)

 

それで実際に取り組んで、楽しそうにしてる姿をみると、「なんて楽しいんだ! これをどこまでもやっていいんだ!」っていう気持ちになるよね。

 

彼らのモチベーションの方向性を一緒に見つけて、実際に行動に移すところまでかかわれるのが面白いんだよね。

 

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(そうそうそう。の顔)

 

:いい教室だね(笑)

 

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「できる」になると、子どもは自分で動く


:生徒たちは興味も進度もみんな違うよね。そこでは「許容」がキーワードになると思うんだけど、てつさんは意識しているの?


:初めから意識していたわけじゃなくて、子どもたちが「やりたい!」って言う内容が純粋におもしろいから、「いいじゃん、それ!やりなよ!」って言っていただけかなぁ。子どもたちの発想って、本当におもしろいんだよね(笑)

 

それを見た人たちが「許容が大事なんですね」と言ってくれることが増えてきて「そうか、これって『許容』って言った方が伝わりやすいんだ!」って気づいたんよ(笑)

 

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(全然気づいてなかったんよね〜の顔。もっと早く言ってほしかったらしい)

 

:もともと「許容」を意識していたわけじゃなかった、と。


:そうだね。基本的には生徒の「やってみたい!」があれば、何でもいいと思っていて「じゃあ、どれやる? 何から始める?」がある。


もちろん「Youtube見たい」って言う子も、たまにいたりするんだけど、そんな時は「教室にいる時間がもったいないから、帰ったほうがいいね〜」って伝えることもある。

 

うちの教室では、やってみて世に出してみる「実装」を特に大事にしているから、実装につながってこそ「発想」に意味が生まれる

 

そういう何かが世に出る「やりたい!」は応援するけど、「YouTube見たい」は発想や実装ではないもんね。

 

:なるほど。なんでも許容、というわけじゃないんだね。そうなると、許容ってそもそもなんだろうね?


:大事なポイントは「人の役に立つかどうか」。誰かの役に立つなら、モチベーションの方向性に従った、それぞれのやり方でいいよっていう意味。

 

そこを踏まえた上で「立ち位置はどこでもいい」ということが許容だと思う。どの立ち位置でもいいから、自分のモチベーションの方向性を見つけてがんばろうねって伝えてる。

 

「やる」と決めたことを「やりきってみる」のって、思っている以上に大変で、泥臭くもあるし、うまくいかないと子どもたちのモチベーションが停滞することもある。

 

だから僕たちの役割が重要で、子どもたちに伴走しながら「やりきる」ところを応援していく。やり遂げられた時には、「できた!」が生まれるし、うまくいけば周りの人も喜んでくれる。

 

そうするとさらにモチベーションが生まれるわけです。

 

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人の役に立ってはじめて、「才能」になる


:「全ての才能に目を向けよう」という、教室のスローガンがあるじゃん。才能ってなんだろうね?


:前提としてあるのは、人のいないところでは才能って存在しないのよ。そういう意味で「誰かの役に立つ能力」を才能と呼ぶと思っている。

 

そもそも人間って人の中でしか生きていけないし、社会の中で生きていくのであれば、他者にメリットを出さないと生きていけない。

 

アリストテレスさんも「人間は社会的動物だ」って言ってたもんね。


:あれ、実は解釈にズレがあるらしいけどね(笑)まあそんな感じ。

 

もっと単純な話で、「メリットを出すこと自体が楽しい」と思えている方が苦しくなく生きていけるでしょ。

 

誰かのためになることや、喜んでもらえることって、本来は楽しいはずなのよ。だから、「モチベーション」と「誰かのため」がつながると、よりいいよねって思っている。

 

モチベーションの方向は人それぞれだし、価値の生み出し方も多様でいいはず。そういう意味で「全ての才能に目を向けよう」という言葉で表現している。

 

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競技無限化の時代 -人が喜ぶ数だけ仕事がある-


:ここまで聞いてきたことの根本として、「社会の変化」みたいなものとつながっている部分もあるのかな?


:今の子どもたちって、活躍できる分野が限られちゃってる気がする。
小学生の時なんて5教科がメインだから、スポーツで例えると「グラウンドを使う陸上競技5つしか知らない」状態になっている。選択肢が少なくて「走り高跳びと〜、ええっと100メートル走と〜」みたいな状況。

 

「ボールを使ったスポーツがしたいんですけど」という子が出てきにくいし、できる場所がないよね。アルティメットの才能ある人がいるかもしれないのに、出てこないし、見つからない。

 

世の中にはまだまだたくさんの競技があるのにそれを認識する機会が少なくて、子どもたちにとっての選択肢が少なすぎるんだと思う。

 

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(アルティメットとかの才能見つからないじゃん、ねぇ〜の顔。)

 

:たしかに。子どもの頃に知っている仕事って限られていたし、誰かのためになる方法も知らなかった。


:本当は今の時代って競技を無限化できる時代だよね。たとえば、「効果音クリエイター」とかがこの世の中にはいるんだよ? 袋の中に片栗粉を入れてギュッと揉むことで、アニメの雪の中で歩いている場面の音をつくったりする。

 

それでいろんな人に喜ばれてるってすごくない?(笑)

 

インターネットを使って喜ばせる方法もたくさんある。Youtubeも、自分の好きなコンテンツを発信することで仕事になるわけじゃん。

 

本来、誰かが喜ぶ数だけ仕事があるはずなのに、昭和教育の中ではたくさんの選択肢があることは見えにくくなっちゃってる。

 

もっと社会の変化を感じながら、子どもたちの才能が活かせる場所を見つけていけたらいいよね。

 

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この世は生きるに値する


:そういう教育を通して、今の子たちにどうなってほしいって思うの?


:極端な話をすると、20歳になって世の中に出たときに、楽しいなって思っていてもらいたい。彼らが生きやすくあってほしいし、死なないでほしい。

 

自分の好きなことを好きなだけやって、誰かがめっちゃ喜んでくれたら、そんな生きていてよかった感ないなって思うからさ。

 

そうやって世の中を楽しんでほしい。「この世は生きるに値する」っていう言葉があるじゃん。……誰だっけ?

 

:宮﨑駿さんですか?

 

:そう、はやおさんだ。宮崎駿さんの言葉。それは、はやおさんが自分の好きなことで誰かの役に立つという経験をしてきたからだと思うのね。

 

だからみんなも、まずは自分のモチベーションに従って、好きなことで人の役に立つところまで一生懸命やってみなよ、褒められる経験をしてみなよって思っている。

 

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さて、いかがだったでしょうか。川村の脳内は少しお伝えできたでしょうか。
今回のテーマは「モチベーションに従って誰かのためになる」でした。


インタビューシリーズ、実は2本立てです。
次回は「やってみなはれ!」について。お楽しみに!

 

この記事を書いた人

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まっさん(松本一春)

株式会社COLEYO 広報 & スタジオアル教室長

龍神村というド田舎出身のカントリーボーイ。

・最寄駅は車で1時間

・18時に閉まる「コンビニ」という名前のお店があるぐらいには田舎です。

苦手なものは、オールで迎えた翌朝の背徳感!

Twitter@spriiiiiiiiiing