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『いじめRPG』あとがき 左子光晴

2019年1月27日(日)に始動した、小説連載プロジェクト「ゆげノイズ」。
読んでいて自然とゆげがたつような、読んでいる人にノイズが走るような、そんな作品を届けようという意味を持っています。
そんな小説連載第一弾は、『いじめRPG』!
実はこの作品、「EXODUS」という出版に特化したクラウドファンディングのプラットフォームで採用され、書籍出版に向けて動き出しているんです!(すごい!)

exodus.jp


そんな小説の作家さんによるあとがきを、どこよりも誰よりも早くお届け。
『いじめRPG』作者 左子さんによるあとがきをどうぞ!!

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一言で言うと、自信レベルを上げていじめをクリアしよう、という小説です。
たしかにそこにある問題なのに、なんとなく解決策が提示されていないこの「いじめ」という問題を、いざ解いてやろうと。
そう思いながら夢中で書き上げました。
「自信」については目がちかちかするほどに本編に書き込んでいるので、このあとがきではもう書きません。
それよりも最近気になることがありまして。

ものの本によると、世の中のほとんどのことは、もう「運」みたいですね。
運次第でうまく転んだり、悪くなったり。
あたしはこの1年とても運がよかったのです。それはもうとてつもなく。

「小説を書くので仕事を辞めます」と高らかに宣言したあたしは、1年前に会社を辞めました。2018年の1月です。
そこから2か月間、脳幹がとろけるほどに甘美で怠惰な日々を過ごしたあたしは、結局2週間でこの作品を書き上げたのでした。
なんとか滑り込みで賞に応募するも、これがまた箸にも棒にも引っかからず。
さてこれからどうすっか、と思った矢先に憧れの劇団に入り、書き物の仕事もぽこぽこもらって、作家としてご飯を食べられるようになりました。
テレビ番組をつくり、映画を撮り、銭湯に行ってやりたいことを話し合って。
そうこうしている内に、書き上げたものの埃をかぶっていたこの小説をブログに掲載してもらえることになりました。
そういえば、なんだかんだでこの小説を出版できそうで。

さて、こんな日々が来ることを、当時いじめられていた小4のあたしは想像していたかと言うと、勿論そんなわけはなく。

当時のあたしはと言うと、死ぬか生きるかさあどうする、という二択に迫られていました。
あたしには選択肢がない、とそう思っていたのです。
そこそこ勉強ができて、そこそこに明るくて、きっと親にとって自分は自慢の子どもだという自負。
その自負がぼくの選択肢を狭めていました。
恥ずかしいんですよ、いじめられることって。
うしろめたいし、隠したいし。
でも結局、なにかしらのアクションを起こさないと、何も解決ってしないんです。

結局あたしは、授業中に無言で帰宅するという、エクストリーム下校をしました。
学校では生徒が授業中に消えたとざわざわし、すぐに家に電話がかかって来て。
あたしは泣きながら母親にすべてを話し、駆け付けた学校の先生にすべてを話しましたとさ。
次の日からは嘘みたいな台風一過で、いじめはきれいさっぱりなくなっていました。

これね、いじめがすっと終わったのって運がよかったと思うんです。
事象だけを見ると、「エクストリーム下校」というアクションの結果としていじめが止まった、っていうだけなんですけど。
でもこれだけじゃないと思うんですよね。
きっとですけど、授業をわりと真摯に受けていたり、クラス委員みたいなことをやってたり、なにかそういう行動が蓄積されてて
学校の先生的にこの子はちゃんと助けないとな、って思ったんじゃないかと思います。

要するに、運って「自分すら忘れてしまった行動による結果」なんだなと。
人事を尽くして天命を待つ、という言葉がありますが「忘れ去った頃に人事の伏線が回収されること」を運がいいと言うんだなって。

こうして小説を連載できてみなさんに読んでもらえてるのも、(株)COLEYOと関係性をつくり、議論を重ね、お酒を飲み、という細々した行動が回収されたから。
映画撮れたのも、映画つくりたいと周りに言い続け、アイデアをノートに書き連ね、最終的に友達ひとりを誘ったことからスタートして。
なんかいろんなことが連綿と繋がっているんです。
そう思うと、運ってのはやはり行動する人に微笑むものなんだなって。
腐ることなく行動していたら、なんとかなるんだなって。

きみの選択肢は、本当はたくさんある。
答えがわからなくてもいいから、とりあえず何か行動をしてみてほしい。
きっと運よく何かが起こるから。

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stud-io.hatenablog.com

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