企画って言葉が好きだ。
人を楽しませる、みたいな矜持がそこに含有されていてかっこいい。
あたしが今いる、「ヨーロッパ企画」という劇団も、これがもし劇団ヨーロッパだったら、あたしは興味を示していなかっただろう。
ヨーロッパ企画だったから、お芝居だけじゃなくていろんなこと企画して面白そうだなと、高校生のあたしは思ったのでした。
でも企画ってなんだろうと。
サークルにも企画って役職があったり、就活のときには企画職ってポジションがあったり。
その実、仕事の内容としてはふんわりしている。
今日、「企画ナイト」というイベントに来ております。
この文章は二部と三部のあわいさに書いている。
10時間、二度の休憩をはさむ三部構成のこのイベントは、文筆家のせきしろさん、バッファロー吾郎A先生、ヨーロッパ企画上田さん、酒井さんによるもの。
二部のゲストは作家の西加奈子さんで、三部のゲストはザ・プラン9のお〜い久馬さん。
内容は、それぞれが考えてきた企画を、みんなの前で発表するというもので、大喜利リテラシーの高い客席は異様な熱狂に包まれていた。
中村一義率いる「100s」の聞き取りづらい歌詞を当てる「中村一義ナイト」や、スーパーボランティアのおじいさんをわかりやすく説明した、「スーパーボランティア図解ナイト」
どれも襟首をグンとつかまれる面白さで、よくあんなこと思いつくな—と月並みな感想しか言えなかった。
聴いている曲の歌詞が変だ、あの標識には何か足りない、最近こんなことがあったんだけどこれどうすればよかったんだろう。
どれもこれも、半径3m内の疑問というか、その人の体験を通して企画されたもので、だからこそ面白いんだと思ったのでした。
ああ、そうやなって。
なんか企画するって聞くと、すごいたいそうな、なんだかどでかい山を動かすような心持になるのだけど、そうじゃなくて。
自分が見聞きしたちょっと気になることが、企画のスタート地点なんやなって。
てなると、そのセンサーを敏感にしとかないといけないことに気づき。
よし、企画考えるぞ!じゃないんだ。
恒常的に考えていることを、企画に昇華するだけなんだ。
写真は、「あづま通り商店街」が破れて「あづき通り商店街」になっているところ。背景の色合い的に、正式に「あづき通り」にすべき。