企む職員室。[studioあおブログ]

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脳とノート ~変わったつくりかた②~

6/20に公開することになりそうです、「脳とノート ダンシングTonight」
写真は監督が描いたイメージイラスト。

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今週のブログで歌詞解説をやろうと思てたのだけど、いったんフラットな状態で映像みてほしいので、またそれは追ってで。
ちょっと珍しい流れで今回ミュージックビデオをつくったので、今回はその話をば。

映画を今年に入って撮っていたのです。
はじめは3人くらいでコソコソと企画してたんだけども、気がつけばわんさかと人が集まってきて。
結局50人くらい?もっとかな?が関わる映画になったのでした。

でもそこまでいっちゃうと、やっぱり動きがのろりとしちゃう。
人を動かすだけでも一大プロジェクトで、撮影して編集して公開してみたいなとこまで持っていくのは、とんでもなく時間がかかるのでした。
(これは今年中か、来年の春には公開できるかもなので、またそんときで。)


ブリコルールって言葉があります。
ものの本によるとフランス語で日曜大工とか便利屋とかいう意味で。
転じて、その場で手に入るモノを寄せ集めて新しいものをつくること・人のことを言うらしい。

このブリコルールてきにモノづくりしたいなと思てたのです。
要は、手持ちのカードですぐさま創ってしまう、その速度感がほしいなって。
と考えていた折に、ともだちから電話が。
「脳とノート ダンシングTonightって言葉が思い浮かんだんで映像つくりましょ」と。
「映像監督ももう見つかってます」と。
は!ブリコルールだ!とテン上がったあたしは翌日に、サイケむんむんな歌詞を書き上げたのでした。

歌詞はできた。
絵コンテもできた。
さぁミュージックビデオつくるぞ!
鼻息フゴフゴしていたあたしらでしたが、ここで大きな試練が立ちはだかるのです。

曲ってどうするのだい?

盲点。
虚をつかれた。
青天の霹靂。

そもそもミュージックビデオって、曲をプロモーションするための映像じゃないか、へいへいと。
曲もないのに映像を先行させるって、とんだガイキチじゃないか…
うーん…と黙したのですが。
あ、でもこれ面白いかもなって。
映像ありきで曲つくるのは、あまりないのかなって。

川村元気のピンクの粘土板てき発想にいたったあたしらは、この状態でもおもしろがってくれるアーティストに白羽の矢を立てました。
彼それこそが、関西アングラがほこる酔いどれフォークシンガー、てら。

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学生時代からただのファンだったのですが、担当してた番組をきっかけに仲良くなりまして。
てらちゃんならサイケな歌詞を、サイケな楽曲で打ち返してくれるだろうと。

お金が、とかキャリアにどうのこうの、とかいろいろ口説き方あると思うのだけど、結局は関わって面白いかどうかがいちばん大事で。
企画を説明したところ、てらちゃんもノリにのってくれ、作曲および歌い手が決まったのでした。
翌週とかにはデモ音源を上げてくれて、これがまたとんでもドラッグミュージックでぶっとびまして。

さぁ撮影するぞ!
と、まなこ血走るあたしらにまたまた試練が。

誰が出演するのだい?

死角。
不意を食った。
寝耳に水。

撮影前夜の、AM1時。
あなおそろしやとガチガチ震えるあたしら。
もうあたしらの誰かが演じようかと、おお妥協しそうになったところで、知り合いが「あいのり」に出ていたという話になり。
ほなそいつを呼ぼうと盛り上がりまして連絡したところ、今からいきますとホラーなフットワークを見せてきたのです。
それが、みゃんまーでした。

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そういや女優もいるよねとなり、これまた深夜3時に連絡してなんとか捕まり。
ついでにスタッフも呼んで、チート的に必要な素材が集まったのです。

みゃんまーの怪演、その場で足されてくアイデア
翌日に無事撮影を終えまして、そこから監督は爆速で編集を。
てらちゃんも仕事を休んでまでレコーディングしてくれて。

で、完成したのが「脳とノート ダンシングTonight」なのでした。

ただただ準備サボった話と言ってしまえば、それで話は終わるのだけど、なんていうか。
手持ちのカードでつくりあげる感じとか、みんな無理しながらも面白いからやろうってなる空気とか。
そういう文化祭にほだされた妙な熱が、とても心地よかったのです。
こういうブリコルールてきな創りかた、これからもしたいなと思ったのでした。
で、こんな学生みたいな遊びを28才になってまだやってることに、エモくなり頬がポッとするのでした。