企む職員室。[studioあおブログ]

企みつつ、育てています。

「HIVの進化の過程を知ることはできるのだろうか?」大学院生によるbro.開催!

研究という青春を提案する「bro.」
毎月1回を目安に、大学で研究に専念する学生さんをお呼びし、研究内容についてお話しいただく授業です。

今回お越しいただいたのは、大学院生の山浦瑞樹さん(通称うらちゃん)。

f:id:stud-io:20190623195122j:plain/めっちゃいい笑顔、ありがとうございまーす!

今回のお話は、こんな言葉から始まりました。
「みんな、HIVとか進化って言葉、聞いたことある?知ってる人~?」

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「聞いたことはある、、、!」
なんとなく知っているけれど、説明はできない、そんな反応の生徒たち。
今回は、進化という言葉の意味から、エイズという病気について、そして研究内容まで、ワークを交えつつわかりやすく説明してくれました。

ワーク①*HIVの形を想像してみよう!
HIVに感染すると完全にカラダの中から取り除くことができないということや、HIVで困っている人が世界中に3400万人もいるということは、事前の説明で分かった生徒たち。でも、肝心のウイルスってどんな形をしているのかな?

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「いろいろ描いたら当たるかも~!」
いろんな種類のウイルスを生み出す生徒もいれば…

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「こんな感じかな?」
触角があるウイルスを生み出す生徒も!
こ、これはよくGと呼ばれるやつでは…笑

ワーク②*HIVはどうやってカラダで生きていく?
ワーク①で想像したウイルスは、どうやってカラダの中で生きていくんだろう?
まさか、「どうもこんにちは、お邪魔しまーす!」と言って入ってきて、何事もなく生きているみたいなことはないはず。笑
肺炎やインフルエンザの感染経路を参考にしつつ、生徒やスタッフで話し合って考えます。

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「えー!わかんなーい!!」
と言いつつ、自分たちなりに考えをまとめてみたり…

f:id:stud-io:20190628193000j:plain「こんな感じで…」
図を書いて説明してみたり。

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白血球そのものを自分のエネルギーにして生きる→体に悪いウイルスや菌に耐えられなくなる
こう考えた生徒もいました。

果たして正解は…?

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HIVって、こんなやつなんです!」
二重の膜に囲まれた、丸い形のウイルス。
このウイルスがカラダの中に侵入すると、細胞の核に働きかけてDNAを書き換えてしまうそうなのです。
DNAは、カラダを維持するたんぱく質を作るための設計図。その設計図がウイルスによって書き換えられてしまった時点から、ウイルスを含んだたんぱく質が作られ続けることになります。
こうやって増え、生き続けるHIVだから、一度感染してしまえば完治することはないのです。

「人間にはウイルスの感染を防御するシステムが備わっているけれど、それを上手く躱して生き続けるHIVは、カラダの中で防御されにくいウイルスに進化しているのかもしれない」そのように仮説を立てた山浦さん。

f:id:stud-io:20190623203138j:plainウイルスがどのように進化しているのかを調べることで、完治できないウイルスに困っている人たちを救えるかもしれないのです。
目に見えないウイルスの働きを数字に表して研究をしていった山浦さんは、現状で
「細胞にHIVを感染させたときに、明らかな適応(進化)が起きているだろうという仮説が一部検証できた」
という結論に至ったそうです。

「ウイルスの進化を知ることで、人々の生活を豊かに」
これが、彼の研究モチベーション。
普段studioあおで行っているモチベーション教育ですが、彼のように根気強く研究を続け、自分の興味や関心を社会的な価値に変換できる人を育てようと考えています。

「学問で世界を救える!」

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このようなメッセージを、生徒たちに伝えてくれました。
彼の研究に対する姿勢は、自分のプロジェクトを進めている生徒たちの後押しに、そして将来どうやって生きていくかを考える貴重な機会になったのではないでしょうか。

 

今回は、これからのHIV研究がどのように進んでいくのか、非常に楽しみになったbroでした。お忙しい中講義をしていただき、ありがとうございました!