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人間として色がつく前の自分って?「コンビニ人間」を読んで。- 12歳の本棚

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「- 私の喋り方も誰かに伝染しているのかもしれない。こうして伝染し合いながら私たちは人間であることを保ち続けているのだと思う。」

(本文より)

家族という人間、友達という人間、いろんな色の人間。人間として色がつく前の自分って?

読み始めて数十ページで、この主人公は普通じゃないと気づいた。今まで本を読んできて、たくさんの魅力的な主人公に出会ったけれど、ある意味一番夢中になった主人公かもしれない。
応援したくなるとか、特別な能力を持っているとか、そんな主人公ではないけれど、読み進めるうちに、フツウ・フツウじゃないの区別が麻痺していく感覚。
読んだ後、ラストにイマイチすっきりしなくて、しばらく考えこんだ作品だった。この本のラストを他の人はどう受け取るのだろうか。

コンビニ人間 (文春文庫)

コンビニ人間 (文春文庫)

 

コンビニ人間
出版社:文藝出版
ページ数:160ページ
初版発行:2016年7月27日