「成長はエンタメだ」と、少年ジャンプは教えてくれた。 -代表のひとりごと🍵
週刊少年ジャンプの作品って、実はほとんど全部同じフォーマットなんですよね。
10歳の時からずっと週刊少年ジャンプを買っています。
そもそも漫画が好きなんですが、特にジャンプが好きだった。最初に読んだのはサッカー漫画「ホイッスル」。身体が小さくて下手くそだった風祭少年が、泥臭〜く努力して、少しずつ結果を残していく姿にシビれた。特に体格に恵まれた訳でもない中バスケをやっていた自分にとって、逆境の中一歩一歩進んでいく様子に非常にやる気をいただきました。
次にハマったのは、「BLEACH」と「アイシールド21」。どちらも主人公がそれまでと違う、新しいフィールドで自分に秘められた才能を開花させながら、少しずつ活躍していくお話しです。
※もちろん「いちご100%」にもハマりましたが、そこはあまり触れないでおきましょう。ちなみに向井こずえ派です。
他にもテニスの王子様、NARUTO、D.Gray-man、銀魂、ネウロ、BAKUMANなどなど、今で言うと、ハイキュー、僕のヒーローアカデミア、鬼滅の刃、Dr.STONE、アクタージュ、などなど見応えのある作品がいくつもあり、漏れなく全部ハマりました。
で、これらの作品全部に共通することを見つけました。気づいてみればなんだか当たり前のような気がしつつも、改めてやっぱりそうか。というような話なんですが、
ジャンプってほとんど、「成長ストーリー」なんですね。
忍者アカデミーの落ちこぼれで、イタズラばかりする少年が、独自の修行を通して、その才能を開花させ、最後には里を治める火影になる「NARUTO」。
絵が上手いだけの冴えない高校生が、有能なブレーンと組むことによって漫画家として成功していく「BAKUMAN」。
鳴り物入りで入ってきた天才1年生が、自分よりもレベルの高い上級生プレイヤーに苦戦しながら、日本を代表するプレイヤーになっていく「テニスの王子様」。
などなど。
実はみんな同じ構成で、
①課題があって、
②努力アプローチがあって、
③できるようになる。
作品全体を通しても成長ストーリーですし、章や、編を通しても、同じ文脈で話が進んでいきます。
そこに魅力的な設定や、個性豊かなサブキャラクターがいることで彩りが添えられ、作品としての出来にも差が出ますが、基本はこのフォーマット。最近は主人公意外のキャラクターの成長ストーリーも細かく描く作品が多い印象。
例外に当たるのは、こち亀、ジャガーさん、ボーボボとか、必ず数作は連載されているギャグ路線。あとはデスノートとかはちょっと特殊。(銀魂も怪しいかな…?)
つまり僕たちジャンプ読者は、成長ストーリーに270円を払っているわけです。
確か18年前は一冊220円。値段も成長しています。
いや、それでね、何が言いたいかっていうと、成長ってエンターテイメントだよね。って話です。
親戚の赤ちゃんが初めて立ち上がったり、喋り出した時にみんなが大喜びする。というのに表れていますが、自分に関係のある生き物が、何かをできるようになっていく姿ってのは見ていて面白いんですよ。
これは僕が教育の仕事をしていても非常に強く思いますし、教育関連の人はこの魅力に惹かれている人多いんじゃないかと思います。
バンドや、アイドルを応援するのとかもこれに近いものがあると思います。
大好きな生き物が少しずつ育っていく。そこに自分が少しでも介在できる。
売れたあと興味を失う人がいるものこれだと思います。
"売れていく"のを見るのが面白いわけです。
※Perfumeが好きでした。2010年くらいまでが面白かった。成長を楽しむと同時に、シンプルにのっちが好きでした。
テレビ番組とか、小説とか、エンタメ(に関係のある)業界のいたる所でこの成長フォーマットは使われていて、「成長を見る」ことに時間やお金を支払う人がたくさんいることに気づきます。
その上で、今の世の中には「成長ストーリーの種類」がもう少し欲しいなって思うわけです。
いい学校に行って、大企業に入って、安定して、なんて、そんなストーリーに未だに心酔してる人なんてほとんどいないわけなんですが(いるのかな?)、
未だにそういう旧エリートっぽい考え方のストーリーか、
もしくは、ものすごく辛い幼少期を過ごしたとか、少年期に大事件に出会ったとかの、波乱万丈な成長(成功?)ストーリーの両極ばかりが目立っている。
でも、どっちでもない人ってたくさんいるじゃないですか。
普通の学校を出て、それなりに幸せな家庭で育った人とか、
程々にグレて、程々にワルしたけど、波乱万丈というほどでもない人とか、そういうどっちでもない人がほとんどなわけです。
ただそういうどっちでもない人も、解像度を上げて見ると、
その人それぞれの課題があって、その人に合った努力をして、自分に合った幸せを手にしていたりする。そういう人はたくさんいるわけです。
もっと課題も、努力アプローチも、幸せパターンも、多様なサンプルがあるはずだし、21世紀のこの世を「全ての才能に目を向けよう」していくには、全ての才能に対応できるくらいのサンプルが必要なんだろうなと思います。
ということで僕は、教育の世界に週刊少年ジャンプを作っていきたいなーと思っています。 勉強や部活以外の活躍の仕方を作っていきたいし、偏差値や運動能力以外の価値基準をもっといろんな子たちに、親御さんたちに知って欲しい。
気づいてしまったからにはやるんです。そこは「のぶれすおぶりーじゅ」なわけです。頑張ります。
早くも来週月曜が楽しみな川村でした。