企む職員室。[studioあおブログ]

企みつつ、育てています。

しんどいのは、“居ていい場所”が少ないからね。~後編~

子ども関連のお題に、あたしが好きに答えるコラム連載。前回に引き続き「ブルーハワイ」

前回のブログはコチラから。

stud-io.hatenablog.com

“居ていい場所”が少ないとしんどいよね、ってお話でした。今回はその後編で、じゃあ居ていい場所を増やすにはどうすればいいか、というお話を。

 

ちょっとこのブログのタイトルみすったなと思っていて。居ていい場所が少ないとしんどいよね、って言うより、「居ていい場所が多いと生きやすいね」のほうがしっくりくるなと。そんなわけで、”居ていい場所“が多いとどんないいことがあるのかを一週間考えてみました。

1 面白いことに出くわしやすい
2 ストレスから逃げやすい
 

かなと。やっぱ面白いんすよ、場所が多いと。ノリ、話題、言葉づかい、人生観とか、それらイッサイガッサイが場所によってほんと変わるのです。テニサーの場所に行けば、未だにウェイウェイ飲んでゲスい話題で盛り上がれる。教育系の場所に行けば、こういう世の中は面白そうでそのためにはどうすればいいかって議論ができる。アーティストの場所に行けば、この作品のここが面白くてここが発明でみたいなカルチャー話ができるし。外資系の場所に行けば、あの企業のマーケティング戦略はここがWorkしててみたいなビジネスなトークができる。

 

ビジネス会話?はいはい意識がお高ぁござんすね、とか。ウェイウェイ飲みとかいつまで学生ノリやってるねん!とか。そう思う人は、その場所から逃げればいいんです。それが②です。まわりの顔色うかがって愛想笑いせんでええのです。居たい場所を選んで、ひょいひょい移住していけばええの。

 

どうすかね。なんとなく、居ていい場所が多いほうがお得そうやなって思てもらえましたでしょか。ほじゃここから先は、自分が中・高生やったときに、どうしたら”居ていい場所”を増やせてたのかな~ってのを考えてみます。そのへんの年ごろの子らと、そのへんの年ごろの子どもをもつ親御さんに読んでもらえたと。

 

まず前提として、”居ていい場所”を増やすのは「しんどさが伴う」ってことを知っておかないとなって。

 

「面白い」と「楽しい」って言葉があります。あたしはこれを使い分けるようにしていて。「面白い」ってのは、知らなかったことやできなかったことを乗り越えたときの心地よさのことで、未知のことに挑戦するイメージ。行ったことないライブハウスに行って初対面の人と仲良くなる、みたいな。「楽しい」ってのは、こう行動すればこんな心地よさが待ってるよねってわかっている状態のことで、既知のことを繰り返してるイメージ。仲良しのグループといつもの話題でワイワイ盛り上がる、みたいな。要は、心地よさを求めるときにしんどさが伴うかどうかの違いです。

 

“居ていい場所“を増やすというのはこれでいうと、「面白い」ことに入ります。知らない場所や、知らない人のとこに飛び込まないとダメなわけで。となると当然、恥をかくし、足を動かさないといけないわけで。もっと言うと、そこへ行くには時間もかけなきゃいけないし、お金もかけなきゃいけない。そう、楽ではないのです。

 

ちなみに、「居ていい場所には困ってないけどできれば増やしたい。でもなかなか行動に移せない。」って人は、今の場所がそれなりに楽しく心地がいいから動かないわけです。愛想笑いしたり友達の買い物に付き合ったりするのはつまらないけど、なんだかんだ楽しかったりもするからまぁいいか~、って。そういう人が、場所増えたほうが面白いんやったら、めんどくさいけどやってみるか~って一人でも思えたら、このブログは成功です。社会人なりたてのあたしもこれでした。

 

一方で「居ていい場所が一つもないけど、なにも行動できない」って人は何を考えているか。ちょっとあたしの話を。小学校の頃1か月程いじめられていて、居ていい場所がひとつも無いと思っていた。でも何も行動できなかった。このときあたしは、「親にバレるのが恥ずかしい。先生に言うのが気まずい。」って考えていて。もし昔のあたしに何か言えるのならば、子どもが頼ってくれへんのは親としてむちゃんこ寂しいし悲しいよ、って言う。子どもがハッピーに過ごせるように、と願っているのが親だ。あと、いじめって“運”の要素が大きいとあたしは思っていて、自分の子どもの運が悪いことを恥ずかしんだり怒ったりする親はいないでしょうよ。

 

話を戻しますです。”居ていい場所”を増やすと面白くなるってのと、それにはしんどさが伴う、って前提を知ったところで具体的にどうすればいいのか。初めにぶちあたる壁って、どこに新しい場所があるのか?ってことなのかな。だとすると…

 

A.好きなものがある・得意なことがある人:そのジャンルの人が集う場所へ

B.好きなものがわからない・得意なことがわからない人:身近な大人に聞く

 

これかなと。自分を受け入れてくれる場所であるなら、リアルかリアルじゃないかは、この際どっちゃでもええです。SNSやオンラインゲーム上でも、そこが“居ていい場所“として機能するならいいです。“居ていい場所”って、リアルであれオンラインであれ、何かしら自分を肯定してくれる場所のことで、「お前とおったらおもろいわ」って言ってくれる場所なわけで。

 

Aの人たちは、好きなジャンルの人たちが集まる場所を探して、そこに行く。それだけかなと。音楽好きなら、ライブハウスでもいいし、そういうネット上のコミュニティでもいいし。で、また他のジャンルにも興味が出てきたら、得意なことができたら、その人らが集う場所を探して行く。その繰り返しなのかなって。

 

難しいのはBの人で、何が難しいってAの人と違ってどこに行けばいいかがわからない。そんときゃ、身近な大人に「なんかまわりに面白い人ら集まるとこないすかね~」って聞くのがカロリー低くて、早いのかなって。学校の先生でも、親でも、友だちのお兄ちゃんでもなんでもいいのだけど、なんとなく世界が広そうな人。”居ていい場所”を多く持つ、面白そうに生きてそうな人。そういう人に紹介してもらうのが早いと思いますです。あたしは高校の近くにアラタコスって店があって、そこのマスターは赤犬ってバンドの人。店に集まってくる人らは映画監督とか役者さんとか、カルチャーむんむんの人らがいっぱいで。「あたしこういう界隈の人らと仲良くなりたい!」って思ったのでした。って考えると、子どもに聞かれたときにつまらん返ししかできない大人には成りたくないもんすな。

 

紹介してもろて、行って会って、合わんな~と思たらすぐ撤退。面白かったらひょこひょこ顔を出すようにする。その繰り返しがええなと思います。もっと言うなら、「studioあお」行けばいいと思いますよ。あそこ自体も”居ていい場所”になりうるし、スタッフとかめいめいが面白い場所とか人を教えてくれるはずで。

 

AもBもいずれにせよ、とりあえずやってみてからです。面白くなかったらどうしよ、とか。仲良くできひんかったらどうしよ、とか。やってみなわからんので、もうやりましょ。めんどくさいを賭してでも、得られる面白さのほうが大きいすよ。

 

ちなみにあたしは”居ていい場所”をつくるのたぶん上手いほうで。あたしが一番大事にしてるのは、「すぐ電車に乗る」こと。面白いイベントがあるとか、面白い人と飲んでるけど来る?とか、そういう愉快そうな匂いがしたら、どんだけめんどくさくてもすぐ電車に乗る。とにかくすぐ行く。イマイチやったらすぐ帰る。これだけはとにかくルールにしていますです。

 

書を捨てよ、街へ出よう。今宵も終電で京都へ向かう。f:id:stud-io:20190908182555j:image